
こんな人に読んでほしい
- 家ヨガを習慣化したい人
- 瞑想が続かない人
- 家で実践する自分にぴったりのヨガプログラムを作りたい人
ヨガは一生続けられる運動&瞑想習慣
瞑想もヨガも継続して初めて自分の中に少しづつ変化を感じていけるもの。目に見える効果がすぐにあらわれる訳ではないので、毎日継続していくのは難しいですよね?リモートワークになって通勤時間がなくなったはずなのに私たちはなぜか「時間がない」と感じる。自分のためのヨガ時間はついつい優先度が下がってしまいがちです。瞑想を継続できない、ヨガの練習を続けられない、家でどんな練習をしていいか分からない、そんな人にお勧めしたいのが太陽礼拝です。
太陽礼拝は、ヨガのポーズの中でも特に背骨にフォーカスしたアーサナ(ポーズ)がバランス良く組み込まれています。
太陽礼拝を習慣化することで、体が変わるのはもちろん、動く瞑想として呼吸に意識を向けていくので、集中力・生産性が高まり、モヤモヤした思考がクリアになっていきます。太陽礼拝は汗をかくほど激しい動きではありませんが、慣れてきたら回数を増やしたり、ジャンプバック・ジャンプフォワードを組み込むことで強度を上げることも可能です。
家で毎日練習を続けるうちに、自分の体や思考、内面に意識を向けながら行うことができるようになります。

まずは基本の太陽礼拝Aからスタートして、一生続けられるヨガの習慣を身につけましょう!
ヨガと筋トレ・ストレッチとの違いは?メリットは?
すでに毎朝のルーテインとして運動を取り入れている方も多いと思います。体を鍛えたり筋力をつけたりするのがゴールであれば、ヨガである必要はなく自分に合った筋トレやエクセサイズをピンポイントで行う方が効果が高いかもしれません。もし「長期的に続けられる運動・瞑想習慣を身につけたい」を思っているなら、私はヨガをお勧めします。
ヨガと他のエクセサイズとの大きな違いは、ヨガはヨガ哲学に基づいているという点です。ヨガの経典では、「ヨーガ チッタ ブルッティ ニローダハ」「ヨガとは心の作用を静かに収めるものである」(ヨガスートラ1章2節)」と定義されています。特に古典ヨガにおいては、ヨガのゴールは「瞑想を通じて自分の本質に気づくこと」だとされています。(私たちに馴染みのあるハタヨガでは、より肉体的なテクニックやプラクティスを重視していると言えますが、最終的なゴールを瞑想としている点では共通しています)
ヨガでは、特に呼吸に意識を向けることを重要視しています。呼吸に集中することで、自分の体や心(内面)の変化に気づきやすくなり、瞑想的な効果も得られるのが大きな特徴です。
ヨガの良い点は、誰でもどこでも、どんな年齢層の人でも、筋力に自信がない人でも、マットと小さなスペースさえあればすぐに実践できるということです。

年齢を重ねても一生続けられるというのはヨガの素晴らしいところですね!
なぜ太陽礼拝を習慣化するのが良いのか?
太陽礼拝とは、12のポーズからなるヨガの基本シークエンスです。
「太陽礼拝」は、英語ではSun Salutation(サン・サルテーション)サンスクリット語では「スーリヤ・ナマスカーラ」と呼ばれています。
スーリヤは「太陽」、ナマスカーラは、「礼拝(あいさつ)」という意味があり、太陽礼拝は、「一日の始まりに太陽に挨拶しその恵みに感謝する」一連の動きです。
太陽礼拝の良いところは、アーサナの基本となる体の使い方が一通り入っていて、かつ1回のサイクルが1分もかからず短時間で行える点です。(基礎代謝も上がり、ダイエットや冷え性改善、自律神経を整えてくれる、など身体へのうれしいメリットもたくさんあります)
ヨガの一連の動作を何も考えずに行えるようになれば、あれこれ考えることなく自分の身体の変化、呼吸、感情の変化に意識を向けやすくなります。
毎日行うシークエンスを一つマスターしてしまえば、時間のない時でも「太陽礼拝を5回だけ行う」といったように手軽に取り入れられるのもメリットです。
毎日同じシークエンスだと飽きないのか?
飽きます(笑)。私も最初ヨガを始めたばかりの頃は、太陽礼拝がいつも準備運動としてレッスンに取り入れられていたので少し飽きてきていました。家で毎朝太陽礼拝を続けるうちに、段々と自分の内面に意識を向けることができるようになり、一つ一つの動きを呼吸に合わせて丁寧に行うことが楽しく、気持ちよくなってきました。
毎朝、仕事行く前はモヤモヤしていた気持ちが、ヨガで呼吸に集中するうちになぜか身体も心もすっきりと感じられ、今では、毎朝太陽礼拝を行うのが生活の一部になっています。
毎日同じポーズを行なっていても、自分の身体は毎日変化しています。自分の身体と心の状態を観察するには、決まったシークエンスを淡々と行う方が良いのです。
太陽礼拝の種類
太陽礼拝には大きく分けてAとBの2パターンあります。Bの方が難しく、BはAのロングバージョンだと思っていただければ大丈夫です。
Bでは、Aの動きをベースに、さらに強度の高いポーズ(ウトゥカターサナ、ヴィラバドラーサナI)が加わっています。
基本の太陽礼拝のやり方については、様々な動画が見れるので、この記事では省略します。
特に、ハワイでヨガティーチャーをしている、ヨーコ・フジワラ先生の太陽礼拝はとてもしなやかで美しく参考になります。

初心者の方にジャンプバックやジャンプフォワードは難しいので、まずはポーズひとつひとつを自分のできるやり方で挑戦してみましょう。
私が太陽礼拝を指導するときは、太陽礼拝Aを3つのパートに区切って練習します。(①と③は同じ)
②の部分は難易度が高めなので、初心者の方は記事後半で紹介する軽減バージョン(マインドフルネス太陽礼拝)からトライしてみましょう!
太陽礼拝Aを3つのパートに分解:
- 【前屈の要素】 ダダーサナ -> ウールドヴァハスターサナ(両手を上に)->ウッタナーサナ(深い前屈)〜アルダウッタナーサナ(半分の前屈)
- 【コア・後屈の要素】プランク→ チャトランガダンダーサナ→アップドッグ→ダウンドッグ
- 【前屈の要素】アルダウッタナーサナ(半分の前屈)→ウッタナーサナ(深い前屈)→ウールドヴァハスターサナ(両手を上に)→タダーサナ
- 1呼吸1動作。呼吸に合わせてポーズを移行する。
- 吸う息・吐く息のポーズを意識する(吸う息=背筋を伸ばす動き、身体を開く動き。吐く息=前屈、手足を下ろす、身体を曲げる動き。)
初心者向けマインドフルネス太陽礼拝(軽減法)
基本の太陽礼拝A/Bには比較的強度の高いポーズ(チャトランガダンダーサナ)が含まれていて、正しいアライメントを知らないと、初心者の方がいきなり家での練習に取り入れることは難しいです。
そこで、基本となる太陽礼拝の動きをベースに、初心者の方でも取り組みやすくアレンジした「マインドフルネス太陽礼拝」をご紹介します。
基本の太陽礼拝と「マインドフルネス太陽礼拝」との大きな違いは強度の高い3ポーズ(プランク→チャトランガダンダーサナ →アップドッグ)の代わりに三日月のポーズを入れることで、体力に自信がない方でも取り組みやすくなっているところです。
このマインドフルネス太陽礼拝がフォーカスしているのは以下の3点です。
- ひとつひとつの動作をできるだけゆっくりと行う。(1ポーズ5〜10呼吸のペース)
- ポーズが変わるごとに身体の感覚、呼吸、そして感情の変化を観察する(内観する)
- 呼吸とともにポーズが深まるのを観察する
「マインドフルネス 太陽礼拝」は、ゆっくりと動くことでより内観(自分の内面に意識を向けること)にフォーカスした内容になっています。インストラクションなしで自分で動けるようになることができれば、少しづつ強度を上げていくこともできるでしょう。毎日のマインドフルネス習慣に、太陽礼拝を取り入れてみてください。
自分だけの太陽礼拝・オリジナルの練習方法を見つけよう
毎朝行う自分だけのプログラムを何パターンか作っておくと、その日の体調やスケジュールに合わせて実践する事が可能です。(朝起きてすぐに「何をしようか」と考えることなく、すぐ実践できるようにしておくのが習慣化のコツです)
例えば、
- 忙しい朝:太陽礼拝A x 5回(5分)
- 余裕のある朝:太陽礼拝A x 5回 & 太陽礼拝B x 5回(15分)
10分のヨガだけでは物足りない人、もっと練習したい人のための次のステップとしてはアシュタンガヨガのハーフ・プライマリーシリーズがおすすめです。
慣れてくると60分くらいでできるシークエンスで、基本のポーズから難易度の高い逆転のポーズまでバランス良く練習できます。
プライマリーシリーズの詳細については改めて別記事で解説したいと思います。
最初のうちは、動画を見ながらインストラクションに合わせて動いていく必要がありますが、慣れてきたら自分の呼吸に合わせてインストラクションなしで練習してみましょう。
呼吸を一定の速度に保つのが難しい場合は、メトロノームAppを使って最適なスピードを見つけるのも良いと思います。
Yogiの個人的なおすすめは、60 bpm (1秒間に1拍)でメトロノームをセットして、4拍で1呼吸(4秒に1呼吸)で動いていくやり方です。最終的には、自分の呼吸がメトロノームになるよう、動いていけるとベストです。
集中できるミュージックなどを聴きながらヨガを楽しむのもおすすめです。
私はAmazon Musicの「集中できるニューエイジ」「ヨガ&瞑想」のプレイリストをよく聴いています。
まとめ
- ヨガとエクセサイズの違いは、呼吸。ヨガでは呼吸に深く集中することでより内面的な気づきを得ることをゴールとしている。
- 太陽礼拝を継続することで一生続けられる瞑想習慣になる。
- 太陽礼拝にはAとBの2種類あり、Bの方が強度が高くロングバージョン。(初心者の方は軽減法を取り入れるか、マインドフルネス太陽礼拝がおすすめ)
- 太陽礼拝をベースに自分だけのオリジナルプログラムを見つける。その日の体調や時間によってアレンジができるよう何パターンか作っておくのがおすすめ。
Yogiの一言
ヨガには瞑想〜悟りに至るための8段階のステップ(八支則)があり、アーサナ(ポーズ)の練習は、安定して快適な座法で瞑想を行うための準備(前段階のステップ)として位置付けられています。つまりヨガでは体を鍛えることが目的ではなく、瞑想を通じて「自分の本質を知ること」(自分という存在は思考そのものではなく、五感を通して経験している体そのものでもない。自分の本質は、可能性にあふれた存在である。苦しみから解放された自由な存在である、と気づくこと)を最終的なゴールとしています。
「ヨーガ チッタ ブルッティ ニローダハ」「ヨガとは心の作用を静かに収めるものである」(ヨガスートラ1章2節)
