
チャトランガダンダーサナ とは?
太陽礼拝に出てくる「チャトランガダンダーサナ (Chaturanga Dandasana) 」とはどんなポーズでしょうか?
Chaturは、「4」、Angaは「手足」、Dandaは「杖」を意味します。日本語だと「四肢を支える杖のポーズ」です。まさに名前の通り身体が一本の棒になったようなイメージで、両手と両足で体を支えるポーズです。難易度の高いアームバランスのポーズとして、太陽礼拝の中にも登場します。
太陽礼拝の中には、ヴィンヤサと呼ばれる一連の動きが含まれています。ヴィンヤサとは、呼吸に合わせて流れるようにポーズを移行する一連の動きのことをさします。太陽礼拝でいうヴィンヤサは、プランクからダウンドッグの部分が該当します。
ヴィンヤサ
- プランク→チャトランガダンダーサナ →アップドッグ→ダウンドッグ
軽減法
- プランク→(膝をついて)ベイビーコブラ→ダウンドッグ
このヴィンヤサですが、アシュタンガヨガ・プライマリーシリーズの中ではなんと35回も登場するんです!(各ポーズとポーズの間にヴィンヤサが挟まります。)つまり、毎日プライマリーシリーズを練習していると35回もチャトランガダンダーサナを行っていることになります。
体力・筋力がつくはずですね。
しかし、このポーズはインナーマッスルをしっかり使ってポーズをとる必要があるため太陽礼拝で最初につまずきやすいポーズでもあります。初心者の方は膝をついた軽減法(ベイビーコブラ)で練習している方も多いと思います。
この記事ではチャトランガダンダーサナ をマスターして太陽礼拝「動く瞑想」を気持ちよく行うためのコツをお伝えします。
チャトランガダンダーサナ ができるようになると何がいいのか?
チャトランガダンダーサナ が出来るようになると何がよいのでしょうか?
- 「動く瞑想」として太陽礼拝を繰り返し練習できるようになる
- アシュタンガヨガ・ヴィンヤサの流れにのれる(流れを止めずポーズからポーズに移行できる)
- 背中の筋肉を強化。体全体をバランスよく鍛えることができる
他にもたくさんの良いことががりますが、呼吸に合わせてリズムよく動けるようになると太陽礼拝がとても気持ちよいプラクティスになります。
チャトランガダンダーサナ を正しく行う3つのポイント

チャトランガダンダーサナ を正しく行うためには色々なことにフォーカスする必要があります。
ここではポーズをキープするためのポイントというよりは、どうやったらスムーズに次のポーズへ移行できるかという観点から3つのポイントをお伝えします。
3つのポイント
- 【プランク→チャトランガ】かかとで後ろをおしつづける
- 【チャトランガダンダーサナ】脇をしめて肩甲骨を使う意識。背中の筋肉をつかって全身を支える(腕の力に頼りすぎない)
- 【チャトランガ→アップドッグ】足をずりっと後ろに下げる
まず、プランクからチャトランガに入る時は頭から足先まで床と平行のまま身体を前にスライドさせます。
しっかり脇をしめて肘の真下に手首がくるようにしましょう。
体を前にスライドさせるときに、どうしてもかかとも一緒に前にでてしまいがちです。
ポイント 1:かかとで後ろをおしつづける
1番目のポイントは、身体をスライドさせる時もかかとは後ろの見えない壁にむかって押し続けることです。(かかとを一緒に前に出してしまうと、チャトランガからアップドックに移行しようとする時に肩が手首より前に出てしまう形になり、うまく身体を持ち上げられなくなります)
膝が床の方へ下がってこないよう、足をアクティブに使ってあげるのがポイントです。
ポイント2:脇をしめて肩甲骨を使う意識。背中の筋肉をつかって全身を支える
2つ目はチャトランガダンダーサナ をキープするためのポイントです。脇をしめて肩を後ろに引くようにします。(肩甲骨の下角をお尻の方へ寄せるイメージです)
このときに腕の力に頼りすぎず、腹筋と背中の筋肉を使って上体を引き上げるように意識しましょう。
ポイント3:足をずりっと後ろに下げる
3つ目のポイントは、文章では伝えづらいのですがアップドッグへ移行するときに「足をずりっと後ろに引く」ことです。
(体格など人によって個人差があるので、必ずしも全員に当てはまらないかもしれません)
足をずりっと後ろへ引く理由は、アップドックの時、上に持ち上がるスペースを作るためです。
私の場合、足をずりっと後ろへ引いてあげないとアップドッグで体を持ち上げたときに肩が手首よりも前にでてしまい、胸を開いて気持ちよく上に伸びることができません。
アシュタンガヨガのヴィンヤサのように、ジャンプバックでチャトランガダンダーサナ に入る場合、実質プランクポーズはスキップしています。そのため、私のように「足をずりっと」しなくても問題なくアップドックへ移行できている方も多いかもしません。
しかしチャトランガダンダーサナ を正しく行おうとすると(肘と手首が床に対して90度になるようにする)足をずりっとすることが必要となります。足をずりっと後ろへ下げたあとは、足を裏返すようにして、足の甲と手のひらでも床をおしてアップドッグに入ります。
アップドッグに入ったときに、肩の下に手首がくる位置た理想的なポジションです。文章ではなかなか伝えづらいので、私が練習するときにとても役に立った動画をつけておきます。参考にしてください。
チャトランガダンダーサナ の苦手意識を克服できれば、太陽礼拝を行うのが楽しくなります。
細かい注意点を意識せずとも、身体が覚えてしまうまで繰り返し練習すること。そうすることでより呼吸に意識を向けることができるようになります。
チャトランガダンダーサナ をマスターして「動く瞑想」太陽礼拝を毎日のプラクティスに取り入れましょう!
チャトランガ・ダンダーサナ を練習するための3ステップ

チャトランガを正しく行うためには、体の使い方、そしてコア(体幹)を使える必要があります。
特に筋力に自信のない方、初心者の方は段階を踏んで練習していくことをお勧めします。
ステップ1:膝をついたチャトランガ(ベルト1本とブロック2つを使用)
ステップ2:膝をついたチャトランガ(ベルト・ブロックなし)
ステップ3:膝を持ち上げてチャトランガ(ベルト1本とブロック2つを使用)
ステップ1:膝をついたチャトランガ(ベルトとブロックを使って腕の使い方をマスター)
目的:
- 第1ステップでは、チャトランガダンダーサナの上半身の使い方・腕の使い方の感覚を覚えることが目標です
準備:
- ベルトで小さな輪っかを作り、両腕を通します。肘の上くらい、二の腕にひっかけておきます(肩幅で調整)
- ブロックを両手指先の斜め前にくるぐらいにセット(一番低い高さでOkです)
- ブロックが2つ用意できる場合は、もう一つのブロックをプランク姿勢をとった時、肘の後ろに一番高い高さでセットしておきます(拳1つ分くらいのスペース開けます)これは、肘を90度に曲げる感覚を掴むために使います。
実践:
- ベルトを腕にかけた状態でプランク姿勢を作ります(この時点でブロックをセットしておきます)
- 膝を床に下ろし、つま先は立てたまま、肘・脇を閉めて胸を前にスライドさせます。
- 肘を曲げて胸を床に近づけます。この時、胸が下のブロックにつかないよう、お腹を引き上げます。さらに肘のブロックを倒さないよう90度を意識して胸と床が平行になるところでキープ。(床には降りず、手で押してポーズから出ます)
注)図解では、ブロックの上に手のひらを乗せています。
ステップ2:膝をついたチャトランガ(ベルト・ブロックなしでコアの力を使ってゆっくり床に降りる)
目的:
- 第2ステップではで膝をついたままゆっくり床に降りることで、体幹・コアの力をつけることが目標です。
- ステップ1で覚えた腕の感覚を意識しながら行いましょう。
準備:
- ベルト・ブロックは外しておきます。プランク姿勢を作っておきます。
実践:
- プランクの姿勢から、膝を床に下ろします。つま先は立てたまま、肘・脇を閉めて胸を前にスライドさせます。
- 胸とお腹が同時に床に降りるようコアの力を使って体をゆっくり下ろします。(ベイビーコブラかアップドッグ~ダウンドッグへ移行)
ステップ3:膝を持ち上げてチャトランガ(ベルトとブロックを使って、体幹・足を使って全身を支える感覚を覚える)
目的:
- 第3ステップでは、膝を持ち上げて行います。体幹と足(かかとで押す力)を使って全身を支える感覚を覚えましょう。
準備(ステップ1と同じ):
- ベルトで小さな輪っかを作り、両腕を通します。肘の上くらい、二の腕にひっかけておきます(肩幅で調整)
- ブロックを両手指先の斜め前にくるぐらいにセット(一番低い高さでOkです)
- ブロックが2つ用意できる場合は、もう一つのブロックをプランク姿勢をとった時、肘の後ろに一番高い高さでセットしておきます(拳1つ分くらいのスペース開けます)これは、肘を90度に曲げる感覚を掴むために使います。
実践:
- プランクの姿勢から、かかとを後ろに押し出しながら、肘・脇を閉めて胸を前にスライドさせます。
- 肘を曲げて胸を床に近づけます。この時、胸が下のブロックにつかないよう、お腹を引き上げます。さらに肘のブロックを倒さないよう90度を意識して胸と床が平行になるところでキープ。(床には降りず、手で押してポーズから出ます)
筋力・コアの力がない場合でも、膝をついたバリエーションで正しい腕・上半身の使い方を覚えることができます。
さらに、ブロックを入れることで肘の曲げ方、胸の下ろし方を意識的に行うことができるようになります。
いったんポーズに入ったら、腕の力だけで支えようとせず、足で押す力、体幹・コアの力でお腹を引き上げる力、肩甲骨を下に引き下げるような意識で全身をアクティブに使う必要があります。
肘は90度にする必要があるのか?
肘を90度に保ったまま、チャトランガダンダーサナを行うことは、手首に負担がかかります。
太陽礼拝を繰り返し練習するアシュタンガヨガなどでは、肘を深く曲げ、お尻を持ち上げるようにして負荷を減らしている方も多いです。
正しいポーズのアライメントを覚えることは、コアの使い方を意識する上で非常に有効です。しかし、実際の練習においては手首に負担がかからない程度に肘を曲げて行うことをお勧めします。
様々なバリエーションを試して、自分に合うスタイルを見つけましょう。
必ず手首の準備運動を行いましょう

チャトランガ・ダンダーサナは、正しく行おうとすると手首にとても負荷のかかるポーズです。練習に取り組む前に、必ず手首のストレッチを行いましょう。
チャトランガ・ダンダーサナの練習シークエンス
おすすめのヨガマット
お家でヨガを練習する人に、Mandukaのマットがおすすめです。特にチャトランガダンダーサナを練習する時、手でしっかりマットを押さなければいけないので、グリップ感の良さが重要です。マットが変わるだけで練習の質も変わります。長く使えて、毎日の練習のモチベーションUpにつながります。
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基本的なポーズであっても深い思慮と気づきを持って練習すれば、身体と心を一つにし、調和させることができる。
出典:アイアンガー 108の言葉