【陰ヨガ】ツイストポーズとバリエーション

ポール・グリリー先生の陰ヨガアプローチ(第6回)

誰にでも当てはまる完全なポーズのバリエーションはありません

陰ヨガの第一人者 ポール・グリリー先生は「ヨガのアーサナ(ポーズ)の目的は、”Chi” のエネルギーのフローを体の中で調和させることである」と表現しています。

その上で、身体的な観点からアプローチするターゲットエリアを24箇所に分類しています。

ポールグリリー先生によると、ヨガのあらゆるポーズはこの24箇所のターゲットエリアに刺激を与える(ストレスを与える)ことを目的としています。

具体的には、以下のいづれかの方法でターゲットエリアに刺激を与えていきます。

  • 伸張(ストレッチ)
  • 収縮
  • 圧迫

24のターゲットエリアは、骨・関節部位が14箇所・筋肉部位が10箇所に分類されています。                                                                                                                                          

  • 骨・関節部位(14箇所)
  • 筋肉(10箇所)

さらに、ヨガの全てのポーズは7つの典型的なタイプに分類できるとして、この7つの典型タイプを一人ひとりの(あなたの)身体に適応させることを非常に重視しています。

自分(生徒さん一人ひとり)にあったバリエーションを適用することで、24のターゲットエリアにアプローチしていこうという考え方です。

14 (骨・関節)・10 (筋肉)・7(ポーズ典型)この教えが、ポールグリリー先生のレクチャーの中には何度もマントラのように繰り返されます。

14 / 10 / 7 

とても印象に残りやすいですね。

ツイストの定義

ツイストの定義は、シンプルです。「骨盤に対して肩、肩に対して骨盤の向きが別の方向を向いていることとしています。

骨盤を固定して、肩をツイストすることもできます。肩を固定して、骨盤をねじるポーズもあります。

骨盤と肩、どちらをねじっているかは問題ではありません。結果として、骨盤と肩の向きが別の方向を向いていることが重要なのです。

ツイストに、完璧な形などはありません。できる限りねじりを深めるため、腕と足をレバーとして使うことも有効です。どのようにねじるかは、人によって異なります。

仰向けのシンプルツイストのポーズを考えてみましょう。できるだけ両方の肩を床に近づけるようにポーズをとります。しかし、ツイストの定義を考えると、腰を大きくねじるのか、肩をねじるのかはそれほど重要ではないのです。

肩に対して骨盤、または骨盤に対しての肩の向きが重要なのです。

ツイストポーズの効果

背骨や腹筋にねじりを加えることで血流が促進し、毒素を排出して体の浄化を促してくれるデトックスの効果があると言われています。

さらに、ツイストは強い前屈・後屈のカウンターポーズとしてシークエンスに取り入れられます。

様々なツイストポーズとバリエーション

ツイストポーズの中でもいくつかのパターンに分けることができます。

骨盤の向きによって3つの型に分けられます。

骨盤ニュートラル+ツイスト

骨盤が前傾も後傾もしていないニュートラルの状態で、体をねじっていくポーズです。

  • ポーズ例:パリブリッタ・プラサリータ・パドッタナーサナ

(半分の前屈の状態から、体を左右にねじります)

骨盤前傾(前屈)+ツイスト

骨盤を前傾させて前屈姿勢を取りながら、体をねじるポーズです。

  • ポーズ例:パリブリッタ・トリコナーサナ

骨盤後傾(後屈)+ツイスト

骨盤を後継させて後屈姿勢を意識しながら体をねじるポーズです。

ポーズ例:

  • ウッティタ・トリコナーサナ
  • ヴィラバドラーサナI
  • リヴァース・ウォーリア
  • ピジョン

ヴィラバドラーサナIでは胸を開いて、尾骨を入れて背中を少し後屈させています。このポーズでは、ねりじをあまり意識することはないかもしれません。しかし、もう一度ツイストの定義を思い出してみましょう。「骨盤の向きに対して左右の肩が反対(別)の方向を向いている」がツイストの基本的な考え方でしたね。ヴィラバドラーサナIのポーズでは、左右の腰骨を平行にするよう意識しますが、後ろ足に引っぱられるため、後ろ足の腰骨が後ろに引かれてしまいます。左右の骨盤の向き、左右の肩の向きを比べてみると、同じ方向を向いていないことがわかります。つまり、後屈+ツイストのポーズになるのです。

もう一つの例として、トリコナーサナ(三角のポーズ)について考えてみましょう。通常、トリコナーサナは、骨盤を横に倒し体側を長く伸ばすポーズとしてアプローチします。ポールグリリー先生は、骨盤を前に倒して行うエレファント・ツイストを取り上げています。

「上の腰骨を前に倒すのは間違い」と決めつけて考えるのではなく、ツイストという観点からアプローチすると、骨盤を前に倒して行うエレファント・ツイストはとても効果的な後屈+ツイストのポーズとなるのです。胸を大きく開き、背骨を少しそらせることでとても気持ちよく後屈を楽しむことができるでしょう。

このように、ポーズの完成型・形だけにとらわれないことは非常に大切です。教科書通りの形を作ることを目的とするのではなく、ターゲットエリア(ここでは背骨をねじること)にどうやったら効果的にアプローチできるのか?という視点で練習に取り組むことが大切です。

そして、そのアプローチ・やり方は人によって異なります。全ての人に当てはまる方法は存在しません。

「一人ひとり身体・骨格は皆異なる。誰にでも当てはまる完全なポーズは存在しない」という前提のもとではポーズの教え方・アプローチも変わってきます。

ヨガを指導していく上でクラス作りのヒントとなれば幸いです。

ポーズの教え方

  • ターゲットエリアを伝えること
  • 2つ以上のバリエーション(軽減法)を提案すること。(生徒さん自身が試して、自分で感じて決めてもらうこと)
  • 刺激・痛みを感じてはいけない部位を伝える
  • 生徒さんからのフィードバック・ダイアログを通じて主体的に参加してもらうヨガクラスにすること

背骨を真っ直ぐに伸ばすことに専念しなさい。そうすれば頭は明晰に働くだろう (出典:「アイアンガー 108の言葉」)

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