陰ヨガと陰陽五行論

陰ヨガの特徴・役割

陰ヨガには大きく3つの特徴・役割があります

  • 靭帯や腱、筋膜といった結合組織に働きかけ関節の稼働範囲を取り戻す。
  • 道教の陰陽五行理論からくる経絡システムにより気の流れをスムーズにする
  • 静かに内観することにより瞑想の準備につながる

この記事では、陰ヨガにおける経絡システムのアプローチについてみていきます。

気(プラーナ)とは

現代の経絡理論において、テッド・カプチャック(Ted Kaptchuck)氏は”気”について以下のように書いています。

「生きている・生きていないに関わらず、宇宙全ての存在は気によって成り立ち、気によって規定される。中国思想では、気は物なのか、それともエネルギーなのか区別されていないが、気はエネルギーとの境界に存在する物、具現化する寸前のエネルギーと考えることができる」(出典:The Web That Has No Weaver) 

中国語では、”Chee”と発音され、日本語では”Ki”と発音され、サンスクリットでは”プラーナ”と表現されます。経絡システムにおける、気の通り道は、すなわち「エネルギーの通り道」(ナディ)と捉えられています。このナディと呼ばれる経絡の通り道、体内に36万箇所とも7万数千箇所あるとも言われています。つまり体のあらゆる所に存在する組織でありポールグリリー氏は、経絡組織=結合組織とも表現しています。

ヨガのアーサナ(ポーズ)では、背骨を伸ばすポーズがたくさんあります。これは、瞑想に至る段階で最も重要なエネルギーの通り道(スシュムナー)を活性化させるという効果があります。(背骨を伸ばすことで、胸が開き呼吸がしやすくなります)

陰ヨガの第一人者 ポール・グリリー先生は「ヨガのアーサナ(ポーズ)の目的は、”Chi” のエネルギーのフローを体の中で調和させることである」と表現しています。そして、関節(結合組織)を刺激して、経絡システム(気のめぐり)を活性させることの重要性について何度も指摘しています。

もちろん、陰ヨガだけが特別ということではありません。陰ヨガだけではなく、あらゆるタイプのヨガのポーズで、経絡組織を刺激することは可能です。陰ヨガは、より安全に、効果的に結合組織にアプローチする手法なのです。

陰陽論

陰陽論とは、古代中国の道教の陰陽論からきています。

この世界は、陰と陽という補完し合う2つの存在にわかれ、この異なる両方の質が存在することにより世界が成り立つという考え方です。

陰と陽、本質は同じで分けることのできない気として、太極図にも表現されています。

五行論

この世界は、木・火・土・金・水の5つの元素でできており、それぞれが影響を与え合い、調和が取れているという考え方です。

5臓は、木・火・土・金・水に配当され、五腑と陰陽関係を気づいています。

陰の臓器(臓)は、腎臓・脾臓・肝臓・脾臓・心臓・肺で、生命に欠かすことのできない物質の純粋エネルギー(気・血・精・霊等)を生成し統括し、蓄えます。

陽の臓器(腑)は、膀胱・胆嚢・胃・小腸・大腸で、未消化の食物、尿、排泄物などの未純化物質に関わり、食物を受け入れ、消化し、有効成分を吸収し、不要なものを運び排泄します。(出典:インサイト・ヨガ:サラ・パワーズ著)

小腸大腸膀胱
チャクラマニプーラアナーハタマニプーラヴィシュダムーラーダーラ
スヴァーディシュターナ
感覚器官唇(口)
排出液唾液鼻水尿
自然の営み成長成熟収穫貯蔵
滋養するもの肌の艶体毛
感情怒り、思いやり憎しみ、愛懸念、沈着悲しみ、勇気恐れ、知恵
黄色
季節土用
気候湿
塩辛い

(出典:インサイト・ヨガ:サラ・パワーズ著 を元に作成)

この陰陽のバランスをとる目的で、陰ヨガでは解剖学的なターゲットエリア(関節・筋肉の部位)の他に、経絡システムにもフォーカスします。

経絡システムにおいては、季節ごとにそして時間ごとに担当する5蔵・5腑が決まっています。

アプローチする、経絡やレッスンの時間や季節などを考慮しながらシークエンスを組んでいけばレッスンの幅が大きく広がります。

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